WHAT's Litchi Hikari Club

「ライチ光クラブ」は演出家・飴屋法水が、嶋田久作らと結成した劇団「東京グランギニョル」によって1985年に発表された伝説の舞台。演劇のアンダーグラウンドシーンにセンセーショナルを巻き起こし、人気を博したが、「ライチ光クラブ」を含む4作品発表し結成2年後に解散。高校時代にこの舞台に衝撃を受け、後に漫画家となった古屋兎丸は、舞台初演から20年後の2005年に漫画「ライチ☆光クラブ」を発表。
当時の忘れられない衝撃と尊敬の念をもちつづけ、20年という歳月を経て、漫画というメディアで表現された物語は、古屋兎丸が描く画とその世界観をもって、耽美的な色合いが濃くなり、より残酷で美しい少年たちの物語として生まれかわった。
現在では、古屋兎丸の漫画「ライチ☆光クラブ」を元にした舞台が上演され、毎公演即完売となる人気の演目に。漫画では、光クラブの前日譚を描いた「ぼくらの☆ひかりクラブ」(上下巻)が書き下ろされ、個々のキャラクターの心情に迫るエピソードも生まれた。映画版『ライチ☆光クラブ』は、漫画「ライチ☆光クラブ」と「ぼくらの☆ひかりクラブ」をベースにした映画化となり、2作品のストーリーを織り交ぜて描かれている。
「ライチ☆光クラブ」は、時代の空気感をとりこみ、色褪せることなく姿を変えながら表現され続けた作品であり、また誰もが通過した思春期特有の感情を描いた物語であることから、今もなお人気が絶えない。

1985年
舞台「ライチ光クラブ」
(作・演出:東京グランギニョル)
2005年
漫画「ライチ☆光クラブ」を
「マンガ・エロティクス・エフ」に発表
(作画:古屋兎丸)
2006年
漫画「ライチ☆光クラブ」コミック発売
(作画:古屋兎丸)
2011年
漫画「ぼくらの☆ひかりクラブ 上[小学生編]」
(作画:古屋兎丸)
2012年
漫画「ぼくらの☆ひかりクラブ 下[中学生編]」
(作画:古屋兎丸)
舞台(初演)「ライチ☆光クラブ」
(原作:古屋兎丸 演出:江本純子)
2013年
舞台(再演)「ライチ☆光クラブ」
(原作:古屋兎丸 演出:江本純子)
2015年
舞台「残酷歌劇 ライチ☆光クラブ」
(原作:古屋兎丸 演出:河原雅彦)
2016年
映画「ライチ☆光クラブ」
(原作:古屋兎丸 監督:内藤瑛亮)
漫画原作者 古屋兎丸 USAMARU FURUYA

漫画原作者 古屋兎丸 USAMARU FURUYA

profile

東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画科(油絵専攻)卒業後、1994年、『月刊漫画ガロ』に掲載された『Palepoli』(パレポリ)で漫画家デビュー。高校の美術講師をしながら漫画執筆を続けていたが、初の週刊連載『π(パイ)』開始と前後して漫画に専念。園子温監督の『自殺サークル』を漫画化した縁で、園監督の『紀子の食卓』『愛のむきだし』にカメオ出演している。現在、集英社 『ジャンプSQ』で「帝一の國」を連載中。「帝一の國」も舞台の人気演目。

comment

映画企画が走り出してから数年、紆余曲折がありましたが、キャスト、スタッフ共に一流の方が集結してくれたことを嬉しく思います。内藤監督はその物腰の柔らかさからは想像のできないほどのマグマを内に秘めた監督さんで、その感性が本作で爆発しています。何度も脚本を書き直し、「ライチ☆光クラブ」と「ぼくらのひかりクラブ」を合わせた本を作ってくださったので、原作ファンの方々を裏切らない内容になっていると思います。この映画で光クラブのメンバーを演じられた役者さんたちは、皆さんそれぞれ個性を生かし、役に没入してくれました。富士の真冬の廃工場で連日連夜、熱い演技をしてくれた彼らの鬼気迫る姿はまさに光クラブでした。今まで見たことのない彼らの意外な面が見られると思います。